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○睡眠って大事なの?
○睡眠の深さって何種類あるの?
○睡眠の深さごとに効果が違うの?
○寝ている時は脳内でどんなことが起こってるの?
○睡眠時間て何時間位がいいの?睡眠サイクルって何?
○ぐっすり眠るために何をしたらいいの?
今回はそんな悩みを解決します。
- 睡眠中の脳内状況
- 睡眠の種類と深さごとの効果
- 睡眠周期のお勧めの長さ
○毎日ぐっすり寝れるようになる
○生産性•勉強効率が向上する
○見た目が若くなり、太りにくく、病気になりにくくなる
○メンタルが安定化し人間関係が良くなる
読むのがめんどくさいと言う方は音声学習用にYouTubeで動画を投稿しているので通勤通学などスキマ時間に聞いてみるのもオススメです。
睡眠のメリットや睡眠の質を高める習慣については以下の記事にまとめています
睡眠ステージごとの効果や脳波が及ぼすメリット
皆さん普段きちんと眠れていますか?
睡眠は疲労回復、アンチエイジング、脳機能改善、メンタル強化、肉体の成長など人生において重要な役割を果たします。
しかし現代人特に日本人は睡眠に関して意識が低く先進国の中でも平均睡眠時間が最下位クラスです。
先進国は平均8時間半眠っていることに対して日本人は7時間半、そして10代から60代の働き盛りの人たちに関して言えば6時間未満の睡眠時間の人が40%以上と言われています。
日本人は生産性が低いと言われますが大きな理由として慢性的な睡眠不足が関係しているでしょう。
睡眠の重要性がわかった一方で、睡眠中の脳内がどうなっているのか、ベストな睡眠時間は何時間ぐらいなのか気になりませんか。
人間の脳は最新科学でも判明されていない部分が非常に多い部位です。しかし何時間寝たらどんな効果があるのかと言う、ある程度の事は明らかになっています。
夜快眠できるように生活習慣を変えたり周年を上手に取り入れて睡眠環境を改善していきましょう。
睡眠サイクル
僕たち人間は眠っている時深い睡眠と浅い睡眠を何サイクルか行って朝目を覚まします。
ワンサイクル90分から120分、合計4サイクル程度繰り返して起床するケースが健全な睡眠です。
睡眠の種類はステージ1から4+レム睡眠の合計5種類あります。
- レム睡眠
- ステージ1
- ステージ2
- ステージ3
- ステージ4
上から順に深い睡眠となっていきレム睡眠が最も浅い睡眠になります。
一方で眠り始めにレム睡眠になるわけではなく、
- ステージ1
- ステージ2
- ステージ3
- ステージ4
- ステージ2
- レム睡眠
- ステージ2
- ステージ3
- ステージ4
- ステージ2
- レム睡眠
- (以下ステージ2からレム睡眠までを繰り返し)
このように最初の1回だけステージ1を通過した後はステージ2を中継点として、深い眠りと浅い眠りを平均4サイクル繰り返し目を覚まします。
そして頭をご覧いただいたらわかるように1回目の睡眠で深い睡眠の時間が最も長くなります。
つまり眠ってから最初の3時間で1日に深く眠れるかが脳内や肉体の疲労回復に重要と言うことがわかりますね。
睡眠のゴールデンタイムは就寝してから3時間後
夜の22時から深夜2時までが睡眠のゴールデンタイムと言われていますが絶対にこの時間に寝ないといけないと言うわけではありません。
人は眠ってからこの4時間のうちに大抵1番深い睡眠に入るからゴールデンタイムと言われているんですよ。
シフト勤務や長時間労働など22時から深夜2時までになかなか寝付けない場合も、布団に入ってから最初の3時間で深い睡眠に入ったらダメージが少ないと言うことを覚えておいてください。
脳波の種類と役割
僕たちは目視で認識することができませんが、僕たちの脳内では電気信号の活動が活発に行われていて、様々な脳波を観測することができます。
脳波ごとに脳内で行われている活動は異なります。そして睡眠の深さごとに発生する脳波も異なります。
つまり睡眠の深さとそれに伴う脳内の活動を知っておけば、肉体疲労を回復させたいからこれぐらい深い睡眠を取ろう、集中力や記憶力を向上させたいからこれぐらいの睡眠を取ろう、みたいに目的別に睡眠を操れるようになるのです。
もちろん昼寝を使って日頃不足している睡眠を補うことも可能です。
デルタ波:4Hz以下
デルタ波は深い睡眠に入っている時に発生する脳波です。
免疫機能や学習能力の向上効果が発生します。
シータ波:4-8Hz
お風呂に入っている時や自然に触れている時などリラックスしたときに顕著に見られる脳波です。
ウトウトとまどろんでいる時にも多く発生します。
またリラックスする一方で記憶力を司る脳の部位の海馬が活性化し記憶力向上も見込めます。
アルファ波:8-13Hz
目が覚めているときに発生している脳波であり、覚醒状態の中でも特にリラックスしているときに多く現れる脳波です。
- 集中力向上
- 創造性アップ
- 記憶力向上
- ストレス解消
などの現象が脳内で発生しています。
1/fゆらぎと言われる人間が無意識にリラックスできる音を聞いたときにα波が増えると言われています。
ベータ波:13-40Hz
ベータ波は覚醒している時の中でも特に緊張、不安、イライラ、焦りなどを感じているときに発生する脳波です。
このように聞くとネガティブな印象を抱くかもしれませんが、外的に襲われたときに素早く戦うか逃げるかを判断するためにはβが発生する機能が必要不可欠でした。
現代社会でも問題を素早く解決するために重要な能力です。
ガンマ波:40Hz以上
ガンマ波と呼ばれる脳波は特殊で脳波計でもなかなか測定することが難しいと言われています。
ベータ波以上に後ストレス下の環境で発生するのかと思いきや、達成感や幸せを感じているときに発生しやすい脳波と言われています。
瞑想を継続し悟りの境地に達した時など高次元な意識の際に発生するそうです。
認知症の原因となるタンパク質のアミロイドβを脳内から排出したり、天然の抗鬱剤と呼ばれる位ネガティブな気持ちを解消してくれたり、たくさんのメリットが期待できます。
睡眠ステージごとの効果
前述したように1回目の睡眠サイクルで深い睡眠が長時間訪れ、2回目以降のサイクルでは浅い睡眠の時間が長くなります。
睡眠はワンサイクル90分から120分と言われていて、人によってはワンサイクルに200分用する人もいるそうです。
ワンサイクル90分と仮定して、浅い睡眠や深い睡眠の際どの脳波が優位になって、人体にどのような効果を及ぼすのか解説します。
ステージ1:創造性アップ
浅い眠りであるステージ1は睡眠全体の約5% 、2分から5分程度発生します。
まどろみ、もしくはヒプナゴシアと呼ばれ、頭がぼーっとする夢に入る前段階のような状態になります。
理性を司る前頭葉の働きが低下し普通は思いつかないような突飛なアイディアが生まれやすくなる時間帯です。
創造性アップの効果を利用して、アインシュタインさんは両手にボールを持ったまままどろみ状態に入り、力が抜けてボールが落ちたときにアイディアを思いついていたそうです。
同様に有名な画家のダリさんは食器と家の鍵を持ってウトウトして、食器の上に鍵が置き落ちたときの音で目覚め、アート作品のアイディアを閃いていたそうです。
ステージ2:学習、集中力、運動能力の回復
ステージ2は睡眠全体の約6割を占め、ワンサイクル中に27分の睡眠が2回発生します。
ステージ2にのみ睡眠紡錘波と言われる超微細な脳波の動きが発生します。
その結果
- 集中力や注意力の回復
- IQの向上
- 自転車やスポーツなど運動に対する学習の記憶定着
- 人間関係や環境に対する慣れ
などの効果が発生します。
LTP(long term potentiation)と呼ばれる記憶力の長期増強効果を睡眠紡錘波が発生するのはステージ2のみの特権です。
30分程度の昼寝でもステージ2まで入ることができるので、仕事や勉強、スポーツで午後重要な場面を控えている際はステージ2まで昼寝をすることがお勧めです。
ステージ3&4:疲労回復とアンチエイジング
ステージ3と4は効果が酷似しているのでまとめて紹介します。
ステージ3の効果がより増強されたものがステージ4と捉えてもらって差し支えありません。
ステージ3と4はワンサイクルあたり16分、20%弱を占めています。
- アンチエイジング効果
- 老廃物や血管の汚れを排除
- 肉体や脳内の疲労を回復
- 筋肉及び肉体の成長
- 長期記憶の定着
など健康や疲労回復に重要な役割を果たしています。
睡眠ホルモンのメラトニンが血管の汚れを排出してくれたり成長ホルモンが肌をきれいにしてくれます。
脳内をきれいにして認知症予防
脳の温度が低下し脳全体が体積を40%ほど縮みます。脳が縮み空いたスペースに脳脊髄液のCSFが流れ出て日中溜まった脳内の老廃物(認知症の原因になるアミロイドβタンパク質など)を洗い流してくれます。
またいらない記憶を忘れさせてくれたり、重要な記憶を思い出しやすくしてくれたり、脳内の記憶を司る本棚を整理してくれる機能も備えています。
肉体の成長やバストアップ効果
筋肉を増やしてくれたり、肉体の疲労を軽減してくれたり、女性の場合は乳腺を発達させてバストアップ効果などが期待できます。
成長因子が活発化し肉体の再生や若返り効果が発生するのです。
ステージ3と4で起きるのはNG
ステージ3と4の注意点として、この時間帯に起きるのはNGと言うことです。
飛行機が離陸し、高く飛んでいたら低く飛んでいる時よりも、着陸するまでにしばらく時間がかかるのと同じように、深い睡眠から目覚めるまでにはしばらくタイムラグが発生します。
深い睡眠に入っている状態で目が覚めると睡眠慣性と言う状態になり、しばらく頭がぼーっとしてしまうのです。
ステージ3と4の状態では自分の子供の声や120dB(ジェット機レベルの騒音)がないと起きることができませんが、朝目覚まし時計などけたたましい音で起きる習慣がある人は深い睡眠の時に目覚めて寝起きが悪くなってしまう可能性が非常に高いので注意しましょう。
慢性的な睡眠慣性を減らすために、寝起きの激しい運動や冷水、二度寝などの習慣は控えるようにしましょう。
レム睡眠:長期記憶と学習能力向上
レム睡眠はREM(rapid eye movement)の頭文字をとって作られた言葉で、直訳すると高速眼球運動と言われる睡眠状態です。
文字通りレム睡眠は目がピクピク高速で動いている状態で、ワンサイクルあたり20%弱、16分程度発生しています。
目は脳の重要な末梢神経の6つ中3つとつながっている非常に重要な機関です。
目が高速で動いている=脳も非常に活発に動いていると言うことです。
レム睡眠の際の脳内は、日中目が覚めている時よりも1.5倍活発に動いています。
加えて心拍数が上昇し血圧は日中の40%以上高くなります。
- 創造性アップ
- 長期記憶の強化
- 感覚や感情など複雑な情報処理
- トラウマやPTSDに起因する嫌な記憶の切り離し
など記憶に関する活動がたくさん行われています。
さらに加えて、リラックスを司るα波と緊張や集中を司るベータ波、浅い睡眠の際に発生するシータ波など様々な脳波が入り乱れています。
悪夢は嫌な事の予行演習
レム睡眠の際は突拍子のない夢や思い出したくもない悪夢を見ることが多々ありますが、原因は記憶に関する部位が非常に刺激されているからなんですよ。
特にPTSD (心的外傷後ストレス障害)のように日常生活もままならない位のトラウマの症状を和らげてくれるので、鬱症状を軽減するためにも、レム睡眠は非常に重要ですね。
金縛りは存在しない
夜中目が覚めて体が動かない金縛りと言う現象は、レム睡眠の最中に覚醒しているだけです。
レム睡眠の最中は夢に合わせて体が動かないように全身の筋肉を緩めて固定しています。
夢遊病の人は例外ですが、窓辺から飛び立つ夢を見てその夢通りに体動かしてたら人間は死んじゃいますよね。
自分の体を守るために夢を見る時間帯であるレム睡眠の最中は体が動かなくなるのです。
そしてレム睡眠は睡眠の中でも最も浅い睡眠なので、目が覚めてしまうこともあります。
このように、夜中覚醒したけど体が動かないと言う状態に陥るのです。
睡眠ステージごとの効果や脳波が及ぼすメリット(まとめ)
僕たち人間は生きるために毎日当たり前のように寝ていますが、脳内では人生を豊かにするために脳細胞や全身が総動員して働いているのです。
睡眠習慣をおろそかにすると今回紹介したようなメリットを根こそぎ捨てているのです。そりゃいつまでたっても貧乏一般人のままな訳ですよ。
食事、睡眠、運動は才能関係なく人生を好転させる最強の習慣です。
毎日少しずつできそうなことでいいから日々を変えていきましょう。
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